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板垣 正文; C.A.Brebbia*
Engineering Analysis with Boundary Elements,11, p.39 - 45, 1993/00
エネルギー1群の核分裂中性子源反復計算を境界要素法で実行する際に多重相反法(MRM:Multiple Reciprocity Method)をあてはめた定式化を試みた。第m回目の中性子源反復において核分裂中性子源に関わる領域積分が、多重相反定理の活用により、(m-1)個の境界積分に変換される。この境界積分の実行には零次から(m-1)次の高次基本解が必要であり、2次元問題では高次の変形ベッセル関数を使って記述される。またこの境界積分では、過去の中性子源反復で計算された境界上の中性子束及び中性子流を保存しておく必要がある。ここで示された定式化は2次元問題と3次元問題の両方に適用可能である。この定式化に基づく計算コードが実用になれば、領域内部の情報は全く不必要になり、境界のみを離散化すれば良いことになるので、境界要素法が持つ本来の利点が最大限に活かされることになる。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Boundary Elem. Abstr. Newsl., 3(2), p.67 - 70, 1992/03
中性子源反復計算を多重相反境界要素法を用いて試みた。この方法の利点は、問題とする領域の内部をメッシュ分割する必要がなく、境界のみを離散化して境界要素を定義するのみで良いことである。また、不規則な幾何形状を容易に扱えることも利点であり、将来の炉物理解析の自由度を格段に高める潜在的可能性を有している。解析解が得られている簡単な2次元1領域問題を例題として、中性子源反復の進行によって実効増倍率がどのように収束していくかを調べた。反復過程の早い時期に実効増倍率は真値に極めて近づくが、その後、徐々に真値より離れていく現象がみられた。これは、第m回の反復において最高(m-1)次の高次基本解が使われており、まるめの誤差が蓄積したためと考えられる。まるめ誤差の蓄積は、ある条件式に数値をあてはめた時に1を超えた場合に顕著となることが明らかとなった。
河村 洋
JAERI-M 6208, 21 Pages, 1975/08
変形ベッセル関数In(x)、Kn(x)については、次数nが小さい場合にはすでによい関数サブプログラムが用意されている。しかしこれらの関数の級数和を扱かうと、高い次数まで精度のよい値が必要となる。しかるに現存のシステムサブルーチンには、nが高次のときに全く正しくない値を与えることがあることがわかった。また筆者の扱かった級数和は、けた落の生ずる形であったため、高次でしかも高精度の関数値を必要とした。そこで、0≦x≦100、0≦n≦100の範囲で、単精度、倍精度、4倍精度のIn(x)とKn(x)を与える関数サブプログラムを作製した。本報には、その計算方法、計算精度、計算時間などについて述べた。